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2012年10月16日

10分でわかる「平家物語」巻八「妹尾最期」その2(平家への忠義心から、義仲軍に戦いを挑んだ妹尾太郎兼康)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


夜にいりて妹尾が催しあつめたるかり武者ども、皆せめおとされて、たすかる者はすくなう、うたるる者ぞおほかりける。妹尾太郎、篠のせまりの城郭を破られて、引退き、備中国板倉川のはたに、かいだてかいて待ち懸けたり。今井四郎やがておし寄せ責めければ、山うつぼ・たかえびらに矢種のある程こそふせぎけれ、みな射つくしてンげれば、われさきにとぞ落ち行きける。妹尾太郎ただ主従三騎にうちなされ、板倉川のはたについて、みどろ山のかたへ落ち行く程に、北国で妹尾いけどりにしたりし倉光の次郎成澄、「おととは討たれぬ、やすからぬ事なり。妹尾においては又いけどりに仕候はん」とて、群にぬけて追うてゆく。


あはひ一町ばかりに追つ付て、「いかに妹尾殿、まさなうも敵にうしろをば見する物かな。返せやかへせ」といはれて、板倉川を西へわたす河中に、ひかへて待ち懸けたり。倉光、馳せ来たッて、おしならべむずと組んで、どうどおつ。互におとらぬ大力なれば、うへになり、したになり、ころびあふ程に、川岸に淵のありけるにころびいりて、倉光は無水練なり、妹尾はすぐれたる水練なりければ、水の底で倉光をとておさへ、鎧の草摺ひきあげ、つかもこぶしも通れ通れと三刀さいて頸をとる。

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〈現代語訳〉


夜になって妹尾が呼び集めた武者たちは、みな攻め落とされて、助かるものは少なく討たれる者が多かった。妹尾太郎は、ささのせまりという場所に構えた城郭を破られて、引き退いて、備中の国の、板倉川の川端に楯を並べて垣のようにして待ちかまえた。今井四郎がすぐに攻め寄せてきたので、矢を入れる容れ物に矢が残っているうちはよかったが、みな矢を射尽くしてしまったので、皆われ先にと落ちのびて行った。妹尾太郎兼康(かねやす)はただ主従3騎にされてしまって、板倉川の岸沿いに、みどろ山の方へおちのびて行く時に、北国のいくさでかつて妹尾を生け捕りにした倉光の次郎成澄が、「弟は討たれてしまった。これは穏やかでないことだ。妹尾についてはまた、生け捕りに致そう。」と、源氏側の軍勢から抜け出して妹尾を追っていく。


一町ほどのあいだに追いついて、「どうしたのだ妹尾どの。見苦しくも敵に後ろを見せているものだなあ。引きかえせ。」と言われて妹尾は、板倉川を西へと渡る川の途中で、とどまって倉光の次郎を待ち構えた。倉光の次郎は馬を馳せてやってきて、ふたりは馬を並べてむんずと組み合い、下にどんと落ちた。互いに劣らない力の強いものだったので、上になったり下になったりして転げあっている間に、川岸にあった淵の中に転がり込んで、倉光の次郎は水練をしておらず、妹尾は泳ぎが達者だったので、妹尾は水の底で倉光の次郎をとらえて、鎧の胴の下の部分の草ずりをひきあげて、刀のつかも、こぶしまでも通れとばかりに、刀を三度さして首をとった。


posted by manabiyah at 08:24| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする