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2012年11月22日

10分でわかる「平家物語」巻八「法住寺合戦」その3(平家と手を結ぼうとして、失敗に終わった義仲)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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木曾左馬頭、平家の方へ使者を奉ッて、「都へ御のぼり候へ。一つになッて東国せめむ」と申したれば、大臣殿はよろこばれけれども、平大納言・新中納言「さこそ世すゑにて候ふとも、義仲にかたらはれて都へ帰りいらせ給はん事、しかるべうも候はず。十善帝王三種神器を帯してわたらせ給へば、「甲をぬぎ、弓をはづいて降人に是へ参れ」とは仰せ候ふべし」と申されければ、此様を御返事ありしかども、木曾もちゐ奉らず。


松殿入道殿の許へ木曾を召して「清盛公はさばかりの悪行人たりしかども、希代の大善根をせしかば、世をもおだしう廿余年たもッたりしなり。悪行ばかりで世をたもつ事はなき物を。させるゆゑなくとどめたる人々の官ども、皆ゆるすべき」よし仰られければ、ひたすらのあらえびすのやうなれども、したがひ奉ッて、解官したる人々の官どもゆるし奉る。


松殿の御子師家の殿の、其時はいまだ中納言中将にてましましけるを、木曾がはからひに、大臣摂政になし奉る。をりふし大臣あかざりければ、徳大寺左大将実定公の、其比内大臣でおはしけるをかり奉ッて、内大臣になし奉る。いつしか人の口なれば、新摂政をばかるの大臣とぞ申しける。


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「平家物語連続講義放送リスト」
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〈現代語訳〉


木曽義仲は平家側へと使者をさしあげて、都へのぼりなされ、いっしょになって東国をせめようと申したところ、さきの内大臣・平宗盛殿は喜ばれたが、平時忠と平知盛の言うことには「そのように平家の世も末でございますとしても、義仲に取り込まれて都へ帰りなさるような事は、あってはならないことです。帝は三種の神器を持っていらっしゃるので、
『かぶとを脱いで、弓の弦を外して、降伏した上でこちらへ参れ』とお言葉がございますべきだ。」と申し上げなさったので、平家からはこのような旨を書いた返事があったが、義仲はそれを受け入れ申し上げなかった。


松殿・藤原基房は自分のもとに義仲をお呼びになって、「平清盛公はあれほどの悪人であったけれども、世に稀な大善根をしたので、世を穏やかに20年以上も保ったのだ。悪行ばかりで世の平和を保つことはない。これといった理由もなく停止しら人々の官職を皆許すべきだ。」との旨おっしゃられたので、義仲は全くもって荒々しく野蛮なものであったが、基房に従い申し上げて、解任した人々の官職復帰を許し申し上げた。基房の子・師家殿がその時はまだ中納言中将でいらっしゃったのを、義仲のとりはからいで、大臣摂政にし申し上げた。ちょうどその時大臣の位が空いていなかったので、徳大寺実定(しつてい)公がその頃内大臣でいらっしゃったその位を借り申し上げて、内大臣にし申し上げる。これはすぐに人々の口を伝わって、新たな摂政を「かるの大臣=借りの大臣」と申し上げたそうだ。

posted by manabiyah at 08:47| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする