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2013年02月05日

10分でわかる「平家物語」巻九「三草合戦」(三草の山で源氏が平家を夜討ち)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


平家の方には大将軍小松新三位中将資盛・同少将有盛・丹後侍従忠房・備中守師盛、侍大将には、平内兵衛清家・海老次郎盛方を初として、都合其勢三千余騎、小野原より三里へだてて、三草の山の西の山口に陣をとる。


其夜の戌の剋ばかり、九郎御曹司、土肥次郎を召して、「平家はこれより三里へだてて、三草の山の西の山口に大勢でひかへたんなるは。今夜夜討によすべきか、あすのいくさか」とのたまへば、田代冠者すすみ出でて申しけるは、「あすのいくさとのべられなば、平家せいつき候ひなんず。平家は三千余騎、御方の御せいは一万余騎、はるかの利に候ふ。夜うちよかんぬと覚え候ふ」と申しければ、土肥次郎「いしう申させ給ふ田代殿かな。さらばやがてよせさせ給へ」とてうッたちけり。



つはものども「くらさはくらし、いかがせんずる」と口々に申しければ、九郎御曹司「例の大だい松はいかに」。土肥二郎「さる事候ふ」とて、小野原の在家に火をぞかけたりける。これをはじめて、野にも山にも、草にも木にも、火をつけたれば、ひるにはちッともおとらずして、三里の山を越えゆきけり。



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〈現代語訳〉


平家側の軍勢は大将軍として、小松新三位(こまつのしんざんみ)の中将資盛(すけもり)、少将有盛(ありもり)・丹後の侍従(じじゅう)忠房(ただふさ)・備中守(びっちゅうのかみ)師盛(もろもり)、侍大将には、平内兵衛清家・海老の次郎盛方をはじめとして、合わせて三千騎が、小野原から三里離れて、三草の山の、西のふもとに陣をしいた。


その夜の午後8時ほどに義経は土肥の次郎をお呼びになって、「平家はここから三里隔てた、三草の山の西の麓に、大勢で控えているそうだ。今夜夜討ちをかけるか、それとも明日戦うことにするか。」とおっしゃったので、田代の冠者が進み出て申したことには「明日のいくさとして時をのばしなさるなら、平家の軍勢が増えることとなるでしょう。平家が三千騎、こちらの軍勢は一万騎、大いにこちらが有利でしょう。まさに夜討ちが良いと思います。」と申し上げたので、土肥の次郎は「よくぞ申された田代殿よ。ならば、すぐに攻め寄せなされ。」と言って出撃した。


武者達が「周囲の暗さはどうしよう」と口々に申したので、義経は「いつもの大たいまつではどうか」と言った。土肥の二郎は「その手がございましたね。」と言って、小野原にあった民家に火をかけた。これらをはじめとして、野にも山にも草木にも火をつけたので、昼に全く劣らない明るさの中で、義経軍は三里の山を越えていった。



posted by manabiyah at 22:25| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする