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2013年03月20日

10分でわかる「平家物語」巻九「二度之懸」その2(梶原景時の次男である平次景高が先をかけようとする)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


河原太郎が鎧のむないたうしろへつッと射ぬかれて、弓杖にすがり、すくむところを、おととの次郎走り寄ッて、是を肩にひッかけ、逆茂木をのぼりこえんとしけるが、真名辺が二の矢に鎧の草摺のはづれを射させて、おなじ枕にふしにけり。真名辺が下人おちあうて、河原兄弟が頸をとる。是を新中納言の見参に入れたりければ、「あッぱれ剛の者かな。これをこそ一人当千の兵ともいふべけれ。あたら者どもを助けてみで」とぞのたまひける。



其時下人ども、「河原殿おととい、只今城の内へまッさきかけて討たれ給ひぬるぞや」とよばはりければ、梶原是をきき、「私の党の殿原の不覚でこそ、河原兄弟をばうたせたれ。今は時よくなりぬ。よせよや」とて、時をどッとつくる。やがて続いて五万余騎一度に時をぞつくりける。足がるどもに逆茂木取りのけさせ、梶原五百余騎をめいてかく。次男平次景高、余りにさきをかけんとすすみければ、父の平三使者をたてて、「後陣の勢のつづかざらんに、さきかけたらん者は、勧賞あるまじき由、大将軍のおほせぞ」といひければ、平次しばしひかへて「もののふのとりつたへたるあづさ弓ひいては人のかへすものかはと申させ給へ」とて、をめいてかく。



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現代語訳吾妻鏡


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〈現代語訳〉


河原の太郎は鎧の胸の部分から背中まで矢を射抜かれて、弓を杖にしてすがって、動けないところを弟である河原の次郎が走りよって、兄を肩にかついで、さかもぎをのぼり越えようとしたが、真名辺(まなべ)の五郎が二度目に放った矢に鎧のくさずりのすき間を射られて、兄と同じところに倒れ臥した。真名辺の下人たちやってきて、河原兄弟の首をとった。この首を新中納言平知盛に御覧にいれたところ、「ああ、強く勇ましき者であるよ。こういう者こそを一人で千人力の武士というべきだ。殺すには惜しい者を助けられないで」とおっしゃった。


その時下人たちは「河原の兄弟が、たった今、城の中を真っ先にかけて討たれなさったよ。」と叫んだので、梶原景時はこれをきいて「私(し)の党の者達の失敗で、河原の兄弟が討たれたのだ。今は戦機も熟した。攻め寄せよ。」と、時の声をあげた。すぐに続いて5万騎が一度に時の声をあげた。足軽たちにさかもぎを取りのけさせて、梶原の軍勢五百騎が声をあげてかけていく。梶原景時の次男である平次景高(かげたか)があまりにも先へとかけようと進んだので、父の平三景時は使者を送って、「後続の軍勢が続かないのに、先を駆けたような者は、褒賞があってはならないとの旨、大将軍・源範頼様の命令だぞ。」と言ったので、平次はしばらくとまって
「『武士が とり伝えている あずさ弓は いったん引いたからには 人が戻すことはできない』と申し上げなさってくだされ。」と言って声をあげてかけていった。





posted by manabiyah at 08:53| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする