「平家物語」各場面の原文朗読・現代語訳・解説の音声ファイルを公開しています。
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2013年06月20日

10分でわかる「平家物語」巻十「請文」(三種の神器を差し出すかどうか協議する平家)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
再生ボタンをクリックして聴くことができます。(各回10分程度)
右端のDLボタンからダウンロードしてiPodなどに入れて、
繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


新中納言知盛の意見に申されけるは、「三種の神器を都へ返し入れ奉ッたりとも、重衡をかへし給はらむ事ありがたし。只はばかりなくその様を御請文に申さるべうや候ふらむ」と申されければ、大臣殿「此儀尤しかるべし」とて、御請文申されけり。二位殿は泣々中将の御かへり事かき給ひけるが、涙にくれて筆のたてどもおぼえねども、心ざしをしるべにて、御文こまごまと書きて、重国にたびにけり。北方大納言佐殿は、只なくより外の事なくて、つやつや御かへり事もし給はず。誠に御心のうちさこそは思ひ給ふらめと、おしはかられて哀れなり。重国も狩衣の袖をしぼりつつ、泣々御まへをまかりたつ。



平大納言時忠は、御坪の召次花方をめして、「なんぢは花方か」。「さん候ふ」。「法皇の御使に多くの浪路をしのいで是まで参りたるに、一期が間の思出一つあるべし」とて、花方がつらに「浪方」といふやいじるしをぞせられける。都へのぼりたりければ、法皇是を御覧じて、「よしよしちからおよばず。浪方とも召せかし」とて、笑はせおはします。


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「平家物語連続講義放送リスト」
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〈現代語訳〉


新中納言・平知盛が諌めて申されたことには、「三種の神器を都へ返し申し上げたとしても、重衡を返して頂くことはないだろう。ただ遠慮なく三種の神器としげひらを交換できないと申し上げるべきでございましょう。」と申されたので、宗盛殿は「このことについては、それがもっとも良いだろう」と、返事にそのむね書いて申し上げた。二位の尼は泣きながら重衡への返事を書きなさったが、涙に曇りどう筆をおろして良いかわからなかったが、親心に導かれて、手紙をこまごま書いて、重国にお与えになった。重衡の奥方である大納言の佐殿(すけどの)は、ただ泣く以外のことができずに、全くお返事も書きなさらない。本当に御心の中はどんなに悲しく思いなさっているだろうと、おしはかられてもの悲しい。重国も涙に濡れた狩衣の袖を絞りながら泣く泣くその前から退出した。


平時忠殿は、法皇からの使いとして来ていた花方というものをお呼びになって「おまえが花方か。」(というと、花方は)「そうでこざいます。」(と答えた。)(時忠は)「お前は法皇のお使いとして多くの波路を越えてここまで参ったのだから、一生涯の思い出をひとつ持つが良い。」と、花方の顔に「浪方」という焼き印をおされた。花方が都に帰りなさると法皇はこの焼き印をご覧になって、「よしよし、しかたない、今後はなみかたという名でお仕えせよ。」と、お笑いになった。




posted by manabiyah at 18:30| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする