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2010年09月02日

10分でわかる「平家物語」巻一「祇園精舎」(「祇園精舎の鐘の声」で始まる冒頭部分)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす。おごれる人も久しからず。唯、春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。


遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周伊、唐の禄山、是等は皆、旧主先皇の政にもしたがはず、楽みをきはめ、諫めをも思ひ入れず、天下のみだれむ事をさとらずして、民間の愁ふる所をしらざしかば、久しからずして、亡じにし者ども也。近く本朝をうかがふに、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、此等はおごれる心もたけき事も、皆とりどりにこそありしかども、まぢかくは六波羅の入道前太政大臣平朝臣清盛公と申し人のありさま、伝へうけたまはるこそ、心も詞も及ばれね。


其先祖を尋ぬれば、桓武天皇第五の皇子、一品式部卿葛原親王、九代の後胤、讃岐守正盛が孫、刑部卿忠盛朝臣の嫡男なり。彼の親王の御子、高視の王、無官無位にしてうせ給ひぬ。其御子高望の王の時、始て平の姓を給って、上総介になり給しより、忽に王氏を出て人臣につらなる。其子鎮守府将軍義茂、後には国香とあらたむ。国香より正盛にいたる迄、六代は、諸国の受領たりしかども、殿上の仙藉をばいまだゆるされず。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」


こちらから↓平家琵琶(平曲)の「祇園精舎」の語りを聴くことができます。
君は「平家琵琶」を聴いたことがあるか?(その2)


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祇園精舎──中村吉右衛門
殿上闇討──野村萬斎
禿髪──島本須美
吾身栄花──上原まり
祇王──平野啓子
殿下乗合──平井真軌
鹿谷──片岡秀太郎
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〈現代語訳〉


祇園精舎の鐘の音には、諸行無常(=万物は移り変わり常なるものは無い)の響きがある。娑羅双樹の花の色は、盛者必衰(=盛んな者も必ず衰える)の道理を表している。奢り高ぶるものも永久にはいられない、ただ春の夜の夢のようにはかない。猛々しいものも最後にはほろんでしまう。まったく風の前の塵と同じである。


遠く外国の例を尋ねてみると、秦の趙高、漢の王莽、梁の周伊、唐の禄山、これらの者たちは皆、もともと仕えていた主君や、先代の皇帝の成した善政にも従わず、楽しみを極めて、人の忠告も受け入れず、天下が乱れることを分らず、民が嘆くところを知らなかったので、すぐに滅びてしまった者たちである。近いところで我が国に例を求めてみると、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、これらは奢った心も、猛々しい事も、それぞれであったけれど、最近では六波羅の入道、前の太政大臣、平清盛と申した人の有り様を、伝えて伺ったことこそは、想像もできず、言葉では表現できないくらいである。


その清盛の先祖を尋ねてみると、桓武天皇第五の皇子である葛原親王の九代目の子孫である平正盛の孫であり、また平忠盛の長男である。葛原親王の子である高視の王は無官無位で亡くなった。高視の王の子である、高望の王の時、はじめて「平」という名字を朝廷から頂いて、上総の国の次官になりなさった時から、すぐに皇族の身分から脱して臣下の列に連なった。高望の王の子である義茂は後に名を国香と改めた。国香から正盛にいたるまでの六代は、諸国を治める受領(ずりょう)であったが、殿上人となって昇殿することは許されなかった。

posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする