「平家物語」各場面の原文朗読・現代語訳・解説の音声ファイルを公開しています。
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2010年09月23日

10分でわかる「平家物語」巻一「禿髪」(平時忠の「この一門にあらざらんものは皆人非人なるべし」という言葉)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
再生ボタンをクリックして聴くことができます。(各回10分程度)
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


かくて清盛公、仁安三年十一月十一日、年五十一にて病ひにをかされ、存命の為に忽ちに出家入道す。法名は浄海とこそなのられけれ。其しるしにや、宿病たちどころにいえて、天命を全うす。人のしたがひつく事、吹風の草木をなびかすがごとし。世のあまねく仰げる事、ふる雨の国土をうるほすに同じ。


六波羅殿の御一家の君達といひてンしかば、花族も栄耀も面をむかへ肩をならぶる人なし。されば入道相国のこじうと、平大納言時忠卿ののたまひけるは、「此一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし」とぞのたまひける。


かかりしかば、いかなる人も相構へて其ゆかりにむすぼほれむとぞしける。衣文のかきやう、鳥帽子のためやうよりはじめて、何事も六波羅様といひてンげれば、一天四海の人皆是をまなぶ。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」

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〈現代語訳〉


(清盛は)こうして仁安3年11月11日に、51歳の年齢で病に侵されて、命をつなぎとめるためにすぐに出家し、仏の道にお入りになった。法名は浄海と名乗りなさった。その効果であろうか、長く患っていた病もすぐに癒えて、天寿を全うした。人が平家になびく様子は、吹く風が草木をなびかせるようなものだった。世の人々が平家を仰ぎ敬う様子は、降る雨が余すところなく、国土をうるおすのと同じであった。


六波羅にお住まいのご一家のご子息といえば、花族(かぞく)も栄耀(えいよう)も正面から向かい合ったり、肩を並べることのできるものはいなかった。そうであったので、入道相国の小舅にあたる平時忠がおっしゃったことには、「平家一門ではない者は、皆、人非人(=人のように見えても人ではない何か)であるだろう」とおっしゃった。


このようであったので、どのような人もどうにかして平家との縁を結ぼうとした。装束の折り目の付けよう、烏帽子の折り方を始めてとして、何事も六波羅式といったので、天下の人々は皆これをまねた。

posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする