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2011年04月14日

10分でわかる「平家物語」巻三「法皇被流」(清盛は後白河法皇に対しても怒りが向かい幽閉へ)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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同廿日、院の御所法住寺殿には、軍兵四面を打ちかこむ。「平治に信頼が三条殿にしたりし様に、火をかけて人をばみな焼き殺さるべし」と聞えし間、上下の女房めのわらは、物をだにうちかづかず、慌て騒いで走りいづ。


法皇も大きにおどろかせおはします。前右大将宗盛卿御車をよせて、「とうとう召さるべう候ふ」と奏せられければ、法皇「こはされば何事ぞや。御とがあるべしとも思し召さず。成親・俊寛が様に、遠き国遥かの島へも移しやらんずるにこそ。主上さて渡らせ給へば、政務に口入するばかりなり。それもさるべからずは、自今以後さらでこそあらめ」と仰せければ、宗盛の卿「其儀では候はず。世をしづめん程、鳥羽殿へ御幸なし参らせんと、父の入道申し候ふ」。


「さらば宗盛やがて御供に参れ」と仰せけれども、父の禅門の気色に恐れをなして参られず。「あはれ、是につけても兄の内府には事の外におとりたりける物かな。一年もかかる御目にあふべかりしを、内府が身にかへて制しとどめてこそ、今日までも心安かりつれ。いさむる者もなしとて、かやうにするにこそ。行末とても頼もしからず」とて、御涙をながさせ給ふぞかたじけなき。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」

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〈現代語訳〉


同じく二十日、院の御所法住寺殿では軍勢が四方を取り囲んだ。「平治の乱の時に、藤原信頼が三条殿でしたように、火をかけて、人を皆、焼き殺されるのだろう」と噂になったため、地位の高い女房も、低い女房も、雑用をする少女たちも、笠などさえも被らないで、慌て騒いで走り出た。


法皇も大いに驚きなさった。前の右大将である平宗盛は、車を寄せて「はやくはやくお乗りになるべきでございます。」と法皇に申し上げられたので、法皇「これはいったい何事か。私に罪があるとは思われない。成親・俊寛のように私も、遠い国の島へ流そうとするのであろうか。高倉天皇はあのように若くいらっしゃるので、私は政治に口出しをしているだけのことだ。それもするべきでないなら、今後そうしないでいよう。」(宗盛)「そういう意図で来たのではございません。世の中を静めるまでの間は、法皇様に鳥羽殿までおいで頂こうと父である清盛入道が申しております。」


「それならば宗盛よ、そのまま私のお供に参れ」と法皇はおっしゃったが、宗盛は父清盛の様子を恐れて参ることができない。「ああ、是につけても兄の重盛には大変に劣ったものだなあ。1年前にもこのような目にあうはずだったところを、重盛は我が身に変えて制しとどめてくれたからこそ今日まで私は安心していられたのだ。清盛を諌めるものも無いからこのようにするのであろう。平家の行く末は頼りない。」といって法皇が涙を流しなさるのはもったいないことだ。



posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする