「平家物語」各場面の原文朗読・現代語訳・解説の音声ファイルを公開しています。
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2011年09月08日

10分でわかる「平家物語」巻四「宮御最期その2」(平家打倒を企てた以仁王の最期)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
再生ボタンをクリックして聴くことができます。(各回10分程度)
右端のDLボタンからダウンロードしてiPodなどに入れて、
繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


競の滝口をば、平家の侍共、いかにもして生捕りにせんとうかがひけれども、競もさきに心えて、さんざんに戦ひ、大事の手おひ、腹かき切ってぞ死にける。円満院の大輔源覚、いまは宮も、はるかにのびさせ給ひぬらん、とやおもひけん、大太刀大長刀左右に持つて、敵のなかうちやぶり、宇治河へとんでいり、物の具一もすてず、水の底をくぐッて、むかへの岸にわたりつき、たかきところにのぼりあがり、大音声をあげて、「いかに平家の君達、これまでは御大事かよう」とて、三井寺へこそ帰りけれ。


飛騨守景家はふる兵にてありければ、このまぎれに、宮は南都へやさきだたせ給ふらんとて、いくさをばせず、其勢五百余騎、鞭あぶみを合はせて追つかけ奉る。案のごとく、宮は卅騎ばかりで落させ給ひけるを、光明山の鳥居のまへにて追つき奉り、雨のふるやうに射まひらせければ、いづれが矢とはおぼえねど、宮の左の御そば腹に矢一すぢたちければ、御馬より落ちさせ給ひて、御頸とられさせ給ひけり。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」

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〈現代語訳〉


競の滝口を、平家の侍たちは、なんとかして生け捕りにしようと伺ったが、競もそれを心得ていて、さんざん戦って、重傷を負って、腹をかききって死んだ。円満院の大輔源覚は、「今、宮は遠くへおちのびなさっているだろう」と思ったのだろうか、大太刀、大長刀を左右に持って、敵の中をうち破って、宇治川へ飛ぶようにして入り、武器をひとつも捨てる事無く、水の底をくぐって、向こう岸へと辿り着き、高いところに上って、大声をあげて、「どうだ平家の公達よ。ここまでくるのは難儀かのう。」といって、三井寺へと帰った。


飛騨守景家は経験を積んだ武者だったので、「この混乱に紛れて、宮は奈良へと先に立っているだろう」と考えて、戦いをせずに、その500騎余りの軍勢で、馬に鞭を打って、あぶみをあおって馬を走らせて、宮を追いかけ申し上げた。思った通り、宮は30騎ほどで落ち延びなさっていたのを、光明山の鳥居の前で追いつき申し上げて、雨が降るように矢を撃ち申し上げたので、どの矢だとはわからないが、宮の左脇腹に、矢がひとすじ突き刺さったので、馬から落ちなさって、首をとられなさった。


posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする