「平家物語」各場面の原文朗読・現代語訳・解説の音声ファイルを公開しています。
全て無料でダウンロード可能です。
オススメの使い方は→こちらをご参照ください。

2011年09月15日

10分でわかる「平家物語」巻五「都遷」(清盛念願の福原遷都が行われる)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
再生ボタンをクリックして聴くことができます。(各回10分程度)
右端のDLボタンからダウンロードしてiPodなどに入れて、
繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


治承四年六月三日、福原へ行幸あるべしとて、京中ひしめきあへり。此日ごろ都うつりあるべしと聞えしかども、忽に今明の程とは思はざりつるに、こはいかにとて上下騒ぎあへり。あまッさへ三日とさだめられたりしが、いま一日引きあげて、二日になりにけり。二日の卯剋に、すでに行幸の御輿をよせたりければ、主上は今年三歳、いまだいとけなうましましければ、何心もなう召されけり。主上、幼うわたらせ給ふ時の御同輿には、母后こそ参らせ給ふに、是は其儀なし。御乳母、平大納言時忠卿の北の方帥のすけ殿ぞ、ひとつ御輿には参られける。


中宮・一院上皇御幸なる。摂政殿をはじめたてまつッて、太政大臣以下の公卿殿上人、我も我もと供奉せらる。三日福原へ入らせ給ふ。池の中納言頼盛卿の宿所、皇居になる。同四日、頼盛家の賞とて正二位し給ふ。九条殿の御子、右大将能通卿、こえられ給ひけり。摂禄の臣の御子息、凡人の次男に加階こえられ給ふ事、これはじめとぞ聞えし。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」


------------------------------------------------------------------------------------
【アイテム紹介】「平家物語」を覚一本の原典そのままに、各界の第一人者による朗読・演技・演奏で見て聴かせようという、前代未聞のDVDシリーズです。

タイトルor画像↓をクリックすると詳細が表示されます。
DVD 原典 平家物語 巻第五[4105-05]

都遷──宮崎美子
月見──粟谷明生
物怪之沙汰──木場勝己
早馬──岡本健一
文覚荒行・福原院宣──藤岡弘、
富士川──下條アトム
奈良炎上──毬谷友子
------------------------------------------------------------------------------------

〈現代語訳〉


治承四年六月三日。福原へ帝がお移りになるだろうということで、京都じゅうが大騒ぎになった。ここ数日中に遷都があるだろうと噂になっていたが、すぐに昨日今日に行われることだ、とは思っていなかったので、「これはどうしたことだ」と身分の上の者も下の者も騒ぎあった。それに加えて、三日の日と決められていた日程が、もう一日早まって二日となってしまった。二日の午前六時頃に、すでに帝の乗る御輿を寄せていたので、帝は今年三歳、まだ幼くいらしゃったので、何も考えずに御輿にお乗りになった。帝が幼くいらっしゃる時には同じ御輿に母后が参りなさるものだが、今回はそのことはない。乳母である平大納言時忠卿の正妻である帥のすけ殿が、帝とひとつの御輿に乗って参られた。


中宮である徳子や、後白河法皇や高倉上皇も福原へお出でになる。摂政殿をはじめ申し上げて、太政大臣以下の公卿殿上人は、我も我もとお供し申し上げられた。帝は三日には福原へお入りになる。池の中納言頼盛卿の宿所が皇居となる。同じく六月四日に頼盛は、宿所を皇居にしたということで正二位になりなさる。九条殿の子である右大将能通卿は位を越えられた。摂政のご子息が、普通の家の次男に位で越えられるのはこれがはじめてだったと言われている。

posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする