「平家物語」各場面の原文朗読・現代語訳・解説の音声ファイルを公開しています。
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2011年09月22日

10分でわかる「平家物語」巻五「物怪之沙汰」(平家の栄華の終わりを暗示させる不吉な夢)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


大内の神祇官とおぼしきところに、束帯ただしき上臈たちあまたおはして、議定の様なる事のありしに、末座なる人の、平家のかたうどするとおぼしきを、その中より追ッ立てらる。かの青侍夢の心に、「あれはいかなる上臈にてましますやらん」と、ある老翁に問ひたてまつれば、「厳島の大明神」とこたへ給ふ。其後座上にけだかげなる宿老のましましけるが、「この日来平家のあづかりたりつる節刀をば、今は伊豆国の流人頼朝に賜ばうずるなり」と仰られければ、其御そばに猶宿老のましましけるが、「其後は、わが孫にも、賜び候へ」と仰らるるといふ夢を見て、是を次第にとひたてまつる。


「節刀を、頼朝にたばうと、おほせられつるは、八幡大菩薩、其後はわが孫にも、たび候へと仰られつるは、春日大明神、かう申す老翁は武内の大明神」と仰らるるといふ夢を見て、これを人にかたる程に、入道相国もれ聞いて、源大夫判官季貞をもッて雅頼卿のもとへ、「夢見の青侍、いそぎこれへたべ」と、のたまひ、つかはされたりければ、かの夢見たる青侍やがて逐電してんげり。雅頼卿いそぎ入道相国のもとへゆきむかて、「まッたくさること候はず」と陳じ申されければ、其後沙汰もなかりけり。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」

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〈現代語訳〉


内裏の神祇官と思われるところに、衣冠束帯をきちんとただした上級の貴人がたくさんいらっしゃって、会議のような事があったのだが、末席にいた人で平家の味方をすると思われる人を、その中から追い立てられる。その若侍は夢の中で「あれはどのような貴人でいらっしゃるのだろう」と、ある老人に問いかけ申し上げたところ、「厳島の大明神」と答えなさる。その後、その会議の上座に、気高い感じの長老がいらっしゃったが、「この頃、平家が預かっていた節刀を、今は伊豆の国に流されている源頼朝に与えようとするのである。」とおっしゃられたので、そのお側には、また別の長老がいらっしゃったのだが、「その後は、私の孫にお与えになってください。」とおっしゃられるという夢を見て、先程の老人に順を追って問い申し上げる。


「『節刀を頼朝に与えよう』とおっしゃられたのは、八幡大菩薩だ。『その後は私の孫にお与えください』とおっしゃったのは春日大明神。このように申し上げる私は武内の大明神だ。」とおっしゃられる、という夢を見て、この夢について人に語るうちに、清盛入道が漏れ聞いて、源季貞を、源雅頼のもとへ、「夢を見たという若侍をすぐにこちらへよこせ。」とおっしゃって、つかわしたので、その夢を見た若侍はすぐに逃げてしまった。源雅頼卿はすぐに清盛入道のもとへむかって、「まったくそのようなことはございません。」と、報告申し上げたので、その後の処分などはなかった。

posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする