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2012年04月05日

10分でわかる「平家物語」巻六「横田河原合戦」(木曽義仲陣営の巧みな作戦に平家がみごとにだまされる)


↑「平家物語」原文の朗読・現代語訳・解説の音声ファイルです。
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繰り返し聴くこともできます。(ページ下に全訳あり。)


同九月二日、城四郎長茂、木曾追討の為に、越後・出羽、相津四郡の兵共を引率して、都合其勢四万余騎、木曾追討の為に信濃国へ発向す。同九日、当国横田河原に陣をとる。木曾は依田城にありけるが、是をきいて依田城を出でて、三千余騎で馳せ向ふ。


信濃源氏、井上九郎光盛がはかり事に、にはかに赤旗を七ながれつくり、三千余騎を七手にわかち、あそこの峯、ここの洞より、赤旗ども手々にさしあげて寄せければ、城の四郎是を見て、「あはや、此国にも平家の方人する人ありけり」と、「力つきぬ」とて、いさみののしるところに、次第にちかうなりければ、合図をさだめて、七手がひとつになり、一度に時をどッとぞ作りける。用意したる白旗ざッとさしあげたり。


越後の勢共是をみて、「敵何十万騎あるらん。いかがせん」といろをうしなひ、あわてふためき、或いは川におッぱめられ、或は悪所におひおとされ、たすかるものはすくなう、討たるるものぞおほかりける。城四郎がたのみきッたる越後の山の太郎、相津の乗丹房なンどいふきこゆる兵共、そこにてみな討たれぬ。我身手おひ、からき命いきつつ、川につたうて越後国へ引きしりぞく。


平家物語連続講義のこれまでの内容を物語の展開順にまとめました。
「平家物語連続講義放送リスト」
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〈現代語訳〉


同じく寿永元年9月2日の日。城の四郎長茂(ながもち)は木曽追討のために、越後、出羽、に加えて会津の四つの群、あわせて、その軍勢は四万騎あまりで、木曽追討のために信濃の国へむかった。長茂は同じく9月9日、信濃の国の横田河原に陣をとる。木曽義仲は依田城にいたが、是を聞いて依田城を出て3000騎あまりで馳せむかった。


信濃の源氏は、井上の九郎光盛の計略で、いそいで赤旗を7本作って、3000騎あまりを7つに分けて、あちらの峰、こちらの谷あいから、赤旗を手に手にさしあげて寄せたので、長茂は是を見て「ああこの国にも平家の味方をするものがいたのだなあ」と、「力がついた」と勇んで大騒ぎしているところに、次第に近くなったところ、木曽の陣営は合図を決めて、7つがひとつになって、一度に「とき」の声をドッとあげた。用意していた白旗をざっとかかげた。


越後の長茂の軍勢はこれをみて、「敵は何十万騎いるのだろう、どうしよう」と顔色を変えて、慌てふためいて、或るものは河に追い落とされて、また或るものは、足場の悪いところへ追い落とされて、助かるものは少なく、討たれるものが多かった。長茂が信じ切っていた越後の山の太郎や、相津の乗丹房などの評判の武士たちも、そこでみな討たれてしまった。ながもち自身も傷をおって、命からがら生き延び、川伝いに越後の国へと退却した。



posted by manabiyah at 00:00| 平家物語過去分 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする