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2017年08月31日

宇治〜「平家物語」と「源氏物語」宇治十帖を巡る旅2(宇治十帖古蹟〈夢浮橋〉〈橋姫〉)

宇治といえば「平家物語」では合戦の地としてのイメージが強い。
一方で「源氏物語」ファンには光源氏亡き後の物語「宇治十帖」の舞台としてお馴染みだ。

そんな宇治十帖ゆかりの遺跡が宇治には存在する。
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それが「宇治十帖古蹟」だ。
http://www.uji-genji.jp/genji/spot/
>千年の間、人々に愛されてきた 『 源氏物語 』 はフィクションであるにもかかわらず、その古蹟が宇治に点在しています。
>江戸時代、好事家(こうずか=風流な事柄を好む人)たちによって、物語最後の十帖にちなんだ古蹟が各々定められたのです。

今回は平家遺跡のみならず、この「宇治十帖古蹟」をすべて巡ってみるという計画を立ててきた。

夜行バスで到着するメリットは朝早くから活動できること。充分時間的にはいけるはずだ!

まずは〈夢浮橋〉から。
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宇治橋のたもとにあるのは、橋からの連想か。
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続いて平等院方面に少し移動して〈橋姫〉古蹟へ。
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こちらが橋姫神社。
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ここに祀られている「宇治の橋姫」は宇治橋を守るという女神で、住吉の神が毎夜この神のもとに通ったと言われる。

「源氏物語」〈橋姫〉では薫が大君をこの橋姫になぞらえて「橋姫の心をくみて高瀬さす棹のしづくに袖ぞぬれぬる」と詠んでいる。

実はこの橋姫の伝説は中世になって発展して「嫉妬深さゆえに鬼女となった女性」という形になるのだが、それが「平家物語」の諸本の一部で〈剣の巻〉に引用されている。

ここに百二十句本の記述を引用する。

>嵯峨の天皇の御宇、ある女、あまりにものを妬み、貴船の大明神に祈りけるは、「願はくは鬼となり、妬ましと思ふ者をとり殺さばや」とぞ申しける。神は正直なれば、示現あらたなり。やがて都に帰り、丈なる髪を五つに巻き、松脂をもつてかため、五つの角をつくり、面には朱をさし、身には丹をぬる。頭に鉄輪をいただき、三つの足に松明を結ひつけ、火を燃やし、夜にだになれば、大和大路を南へ行き、宇治の川瀬に三七日ひたりければ、逢ふ者肝を消し、やがて鬼とぞなりにける。「宇治の橋姫」とはこれなり。

また「平家物語」巻五〈月見〉でも「源氏物語」〈橋姫〉の記述が引用されている。

「平家物語」覚一本の記述を見てみよう。

>源氏の宇治の巻には、うばそくの宮の御むすめ、秋の名残を惜しみ、琵琶をしらべて夜もすがら心をすまし給ひしに、在明の月の出でけるを、猶たへずやおぼしけん、撥にてまねき給ひけんも、いまこそ思ひ知られけれ。

こちらは下記の「源氏物語」〈橋姫〉がもととなっている。

>内なる人一人、柱に少し居隠れて、琵琶を前に置きて、ばちを手まさぐりにしつつ居たるに、雲隠れたりつる月の、にはかにいと明くさし出でたれば、「扇ならで、これしても、月は招きつべかりけり」とて、さしのぞきたる顔、いみじくらうたげに匂ひやかなるべし。

さて、ここから再び宇治川へ。

この宇治川は「平家物語」では梶原源太景季と佐々木四郎高綱の先陣争いで有名なのだが、宇治川の中の島にはそれを記念した碑があるとのこと。

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中の島へはこんな橋を渡っていくことができる。

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だが、なんと。工事中のために宇治川先陣の碑は非公開となってた。

うむむ残念。まあでもこれはこれで貴重な記録ということで。

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さてさらにこんな橋(朝霧橋)を渡って反対側の岸を目指していく。
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橋の上からの光景。(続く)

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宇治〜「平家物語」と「源氏物語」宇治十帖を巡る旅1(宇治川と宇治橋)

2017年8月30日、渋谷での夏期講習最終日を終えて、そのまま新宿バスタへ。

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そうここから僕は夜行バスで京都宇治方面へと向かったのだ。

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D11乗り場、今回使ったのはJAMJAMライナーというバス。

3列独立シート。2016年に神戸に行った時は4列シートだったので、少しグレードアップ。ちなみに値段は5,000円。

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22:10発、途中で数度休憩を入れつつ翌31日の6:20には到着。

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京都八条口に着いた。

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「なか卯」があった!

ここから激しくカロリー消費の予定なので、
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とりあえず朝食を摂って栄養補給。

JR奈良線に乗る。
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宇治駅へ到着。
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駅前の案内地図。
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宇治川に到着!
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こちらは「平家物語」巻四〈橋合戦〉や巻九〈宇治川先陣〉でお馴染みの所。

10分でわかる「平家物語」巻四〈橋合戦〉(平家を相手に戦う以仁王陣営)
http://manabiyah.seesaa.net/article/382137540.html

10分でわかる「平家物語」巻九〈宇治川先陣〉(宇治川の先陣争いの様子)
http://manabiyah.seesaa.net/article/305437643.html

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そしてこの宇治橋の西詰には紫式部の像が。
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実は今回の旅は「源氏物語」宇治十帖を巡る旅でもあるのだ。(続く)

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2017年08月10日

お知らせ

8月10日・17日・24日の放送は、夏休み特別企画として、井野川幸次、三品正保、土井崎正富、3人の検校による平家琵琶の語り「卒都婆流」をオンエアします。「新・平家物語」連続講義はお休みとなります。
posted by manabiyah at 10:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

「新・平家物語」第142回「りんねの巻(官倉の鍵)」源有綱は、父仲綱と再会する



↑吉川英治「新・平家物語」の朗読・解説の音声ファイルです。
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・持仏堂で、頼政の真意を明かされた有綱は感激する。
・二人は半日余りも、持仏堂から出て来ない。
・頼政は有綱に伊豆へ帰るようにうながす。
・伊豆へ帰る支度を進める有綱に頼政は諸国の官倉の鍵を託す。
・頼政は有綱に、この鍵を時節を迎えた時、頼朝に渡すよう言う。

【語注】
述懐(じゅっかい)=過去の出来事や思い出などをのべること
灸治(きゅうじ)=灸をすえて治療すること
相擁(あいよう)=互いに相手を抱く
曙光(しょこう)= 夜明けに東の空にさしてくる太陽の光
犬馬(けんば)の労= 主人や目上の人のために全力を尽くして働くこと


「新・平家物語連続講義」これまでの放送分です→「新・平家物語連続講義放送リスト」

*この講座の朗読部分に使用する原文は、講談社発行の「吉川英治歴史時代文庫」に収録されているものを使用しています。



なお「新・平家物語」は電子書籍でも購入ができます。iPadやkindleを使っている方は、こちらもオススメ。

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2017年07月28日

「新・平家物語」第141回「りんねの巻(驢に乗る人)(老兵晩夢)」源有綱は、祖父頼政の真意を問いただす



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・治承三年秋、比叡山の大衆が争いを起こしているとの噂が流れる。
・学僧たちと、武装した僧兵たちが分裂して争っているとのこと。
・平教盛が、討伐に向かうも、僧兵たちの集団である堂衆に敗れてしまう。
・老武者源頼政は後白河法皇の子である以仁王の御所を訪れていた。
・頼政は、平清盛の憐れみの心によって、三位の地位を得ていた。
・頼政は馬ではなく驢馬に乗り唱とともに自宅のある近衛河原へと向かう。

【語注】
驢(ろ)=ロバ
勘気(かんき)をうける=父親などの怒りをうける
斑紋(はんもん)= まだらの模様
蔀(しとみ)= 格子を取り付けた板戸
片鱗(へんりん)=多くの中のほんの少しの部分

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2017年07月21日

「新・平家物語」第140回「りんねの巻(形影)(木の下)」源仲綱と平宗盛の間で馬をめぐってトラブルが起こる



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・義経は前夜の水亭に行ってみた。
・行家は、有綱の平家への密告の懸念を述べる。
・義経は「有綱は祖父や父の本心を見極めようとしているのだろう」と述べる。
・義経と行家のもとに、弾正介と子息左金吾が連れ立って現れる。
・彼らに導かれて、義経は涼しげな渡殿を越えて別な一間の円座に向かう。

【語注】
下策(げさく)=下手な策略
上策(じょうさく)=すぐれた策略
無類(むるい)= 他に比べるものがない
隔意(かくい)= 心にへだたりのある思い
風聞(ふうぶん)=世間の噂に伝え聞くこと

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2017年07月14日

「新・平家物語」第139回「りんねの巻(結び文)」都荒らしの大将である「にせ義経」の正体が明かされる



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・平家打倒の計画の中で、中心的な位置にあったのが源頼政。
・孫である有綱の目には、頼政は骨の髄まで平家の随身と見える。
・有綱は行家にことばを尽くして説明するが、行家は逆に有綱をたしなめる。
・二人は互いに言い合いになってしまう。
・有綱は自分の言い分に間違いがあったら腹を切るとまで言い出した。

【語注】
信寵(しんちょう)=信頼し大切にすること
恬(てん)として=気にかけず平然と
懐紙(かいし)= たたんで懐中に携帯し、様々にな用途に使う紙
哄笑(こうしょう)= 大声を出して笑う
末子(ばっし)=すえっこ

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